ＪＲ各社において他線への乗換え接続が無い駅では日本で最も乗降客数が多い駅。言われてみれば周囲は終日賑わいを見せていて活気があり、隣の大井町駅は品川区の中枢、反対の蒲田は羽田空港に近く、何かにつけて利便性が高い当地。なるほど、人口も多いわけだ。
　大田区は「大森」の「大」と蒲田の「田」を1字づつ拝借して付けられたとされている。高級住宅街で名高い田園調布や久が原などはまったく無視で工業地帯や下町イメージが先行する大森と蒲田が優先された格好。
　歴史でいうと、1885年10月1日に当駅構内で折り返し中の新橋発大森行臨時旅客列車の客車14両が脱線し1両が転覆した。乗客1名が死亡。この事故は日本の鉄道事故における最初の死傷事故であるそうだが、それを慰霊する意味で、当駅の蒲田寄り東海道本線上には慰霊碑が建立されている。が、「碑」といえるほどのたいそうな物ではないのでなかなか目立たない。
　なお、鉄道の乗り換えは無いものの当駅を発着するバス路線は案外多く、主な行き先は代田橋駅、田園調布駅、渋谷駅がある。代田橋行きのバスは環七通りを進んでいく。